第36話 本当の新規開拓-視野を広げ盲点を無くす営業
今日は「本当に新規顧客が欲しいの?」と最近思わず首を傾げた私の体験談です。
視野を広げると今まで忘れていた顧客が目に入る。目に入ったら顧客が感じていることが分かり、おのずと次にすべきことが判明するという新規開拓では当たり前の話です。
20代から30代にかけ罹っていた私のバイク熱、最近再燃しています。
暇を見つけてはバイクショップを訪れている今日この頃。
先日も気になっている海外メーカーのバイクショップを覗いたところ店員さんが
「こんにちは。ようこそお越しに下さいました。*リターンライダーですか?」
*リターンライダー:若いころバイクに乗っていて、何らかの事情からいったんバイクを降りたものの、ある程度の年齢になり、またバイクに乗り始める人
「よく分かりますね。リターンライダーになれたら良いなと思っていまして。」
「簡単に分かりますよ。車でお越しになってるから。もう一度乗ってください、オートバイ。」
齢50の見た目からか大概このような会話がなされます。
ここで新規開拓という点から注目したいのは
「車でお越し」
という点。
なぜでしょう?
普段は乗用車しか乗っていない人でも、十分に自社の顧客になり得ると判断し、しっかり顧客リストに載せているからです。
そしてそのために自動車用の駐車場をちゃんと用意しているということ。
驚くことになかには
「バイクの免許はお持ちですか?」
とまで聞いてくるお店まであります。
バイクの免許がない人までターゲットに入っているのです。
(ちなみに持っていない場合は免許取得のサポートプログラムまで用意しているそうです。)
しかし、残念なことに国産メーカーのバイクショップは同じバイクショップでも自動車用の駐車場が用意されていない場合が目立ちます。
駐車場の費用がかかるなら、近隣にあるコインパークの所在を張り紙などで表示すれば済むことです。そんな簡単なこともしていない店が大半です。
当然、店の立地や資本力などの諸条件にも左右されるのでしょうが、それ以上に今まで自分たちが見てきた顧客カテゴリーしか見えていないように感じられます。
このような視野の狭い新規開拓はいろいろなところに見られます。
和服を着てみたいと初めて訪れた新規客に着付けを教えられない呉服店。
まったくクラブを握ったことのない人を「練習してからお越しください」と平気で突き放すゴルフ場。
来るかどうか分からない常連のために上席をあけ続け、一見客をカウンターの端に座らせる料理店。
担保だけを判断材料に業務内容に関する質問をすることなく口座開設を断る銀行などなど。
新規開拓をおざなりにしてきたこれらの業界、その現状の惨憺たることはご存じの通り。
貴社がその道を辿らない保証はどこにあるでしょう。
貴社はどうですか?
どのように新規開拓していますか?
どこに潜在顧客がいますか?
そして彼ら彼女らは何を見て、何を感じているのでしょう?
まずは潜在顧客をしっかり確定し、買い替えのみならず
「新たに買う」=ゼロをイチにする
本当の新規開拓が出来るのです。
そのために何からするか?
自らの視点から一歩抜け出し、高い場所から市場を俯瞰する。
そうすることでどのような潜在的な顧客がいるのか、そして顧客獲得へ向けた次の一歩が見えてくるはず。
物事の認知、ここで語った市場をどのように見て、どこに新規顧客を見据えるか。
顧客の確定方法も物事の見方という点で一種の癖とも言えます。
まずその癖を知り、その癖を書き換える。
そして潜在顧客を明確に決定し、着実に行動計画を立てる。
そして実行。
コミュニケーションコンサルティングはそのサポートを全面的に実施します。