第27話 本当のプレゼンテーション-意識すべき話し手のポジション
「例年この時期になると社員を前に来年度の業務計画を説明するのですが、どうも自分の思いが強くなってしまい、うまく伝わらないのですよ。何か良いアドバイスはありますか?発表はもう来週なのです。」
新年度に入り今年こそは独自色を出さんと意気込むアパレルメーカー創業2代目社長Mさんからの切羽詰まったご相談。
年度末、年度初はまさにリーダーがその思いを語るには絶好な時期。社員も「今年度はどんな年になるかな?」とワクワクしながらあるいは不安を抱きながら新しい絵を心の中で描こうとしています。
プレゼンテーションを行う者にとっては聴き手が真っ白なキャンバスを開いていてくれる、これ以上のシチュエーションはありません。
そこで毎年「暴走」してしまうM社長、自分で自分のスピーチをコントロールできなくなるという。聞き手である社員のキャンバスは絵どころではないでしょう。
みなさんにも似たような経験はありませんか?
「暴走」とまではいかなくともパーティーなどのスピーチでちゃんと原稿を準備したにもかかわらず緊張感から身体が熱くなり自分が何を喋っているのか分からなくなったりしたことが。
プレゼンテーションをする際に必要なことは何か?
聴衆をグイっとあなたに引き付けるにはどうすべきか?
(プレゼンテーションの目的については「第19話:営業面談はプレゼンテーション。-営業する前に宣言すべきこと」をご参照ください。→ 第13話 コミュニケーションコンサルティング | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)
正解は発言時のポジショニング。
つまり自分がどういうアイデンティティ(自己認識)で語るかを認識しながら話すということ。ここでいうアイデンティティとは「私が社長です」という地位や立場ではなく、語り手としてのポジションを指しています。
すなわち発言者のポジションは以下の3つに分類されます。
①事実を伝える人(レクチャラー)
②聴衆に問いかける人(ファシリテーター)
③自分の経験、想いを語る人(ストーリーテラー)
この3つが程よくミックスされたとき聴き手はそのプレゼンターに魅了されるのです。
ニュースを読むアナウンサーは①であり、司会者や会議の進行役は②。上手、下手はあるもののあまり魅了される立場とは言い難いもの。
M社長は
①レクチャラーとして事業計画を客観的に説明することもそぞろに
②ファシリテーターとして聴衆である社員に問いかけることもなく、気が付いたら
③のポジションでひたすらに自身の思いだけを語り続けてしまっていたようです。
リーダーであるあなたはプレゼンテーションの場において今この瞬間、自分が今話さんとしていることが①②③のどれにあたるか意識して話していますか?
事業計画説明会、新商品発表会、IRミーティング、政策発表の原稿は①②③を意識して作成されていますか?
あなたのプレゼンテーションは①②③のポジションを意識して語りかけるだけでも見違えるものになるでしょう。
これに声のトーンや語る姿勢を変化させるなどの言語、非言語の手法を加える。
あなたのプレゼンテーションは聴衆である社員、選手、有権者をあなたの世界へと導き、あなたを真のリーダーへと昇華させます。
原稿の作成から実施までプレゼンテーションの総合コンサルティングは弊社にお任せください。