第45話 本当のコミュニケーション&プレゼンテーション!-現場で絶対に発してはいけない言葉とは?
---人間の行動のほとんどは無意識のうちになされています。箸の使い方や歩き方など”まずこうして、つぎにこうして”といちいち意識していません。コミュニケーションにおいても同じです。外国語の習得時に全身全霊で立ち向かったあなたも日本語では目の前の人にこれから言おうとしていることに必死にはならないはず。ところがその隙をついて発せられる言葉があるのです。それらの言葉は必要なものでしょうか?---
「市原さん、え~、先日、退職者の送別セレモニーで、え~、いきなり社長メッセージ話せと言われて焦りましたよ。何も考えてなかったから、えー、しどろもどろになってしまいました。」
「とはいえ、Hさん、あなたは部長ですよね。本当に何も考えてなかったのですか?」
「本当に考えてなかったんです。え~、市原さんもご存知のように、え~、うちの社長って、出たがりだし、え~、話好きだからまた今回も、え~、私の出番はないだろうなと、え~、高を括ってました。いきなり話さなければならないようになった時の対処法を教えて下さい。」
投資系金融機関で役員まであと一歩というH部長からのご相談。
今日の本コラムをここまで読んで、状況がすんなりと理解できた方はいますか?
状況が簡単に理解できたという方はかなりの鈍感かHさんと同じタイプの人です。
「Hさん、あなたご自分の会話の癖をご存知ですか?」との私からの問いかけにHさんは
「え~、癖なんてありますか?え~、そんなの全く意識したことないです。」
他人との会話であるコミュニケーション、大勢の人を相手にしたプレゼンテーションでは言いたいことを伝えるための知っておくべき効果的なテクニックがいくつもあります。
本コラムでもいつもお伝えしている、発言の意図の明確化(コミュニケーションの相手にどうなって欲しいのか:①行動してほしい②知識を得て欲しい③感動してほしい④楽しんでほしい)や会話時におけるポジションニング(レクチャラー、ファシリテーター、ストーリーテラー)などが挙げられます。
積極的に取り入れたいこれらのテクニックに加え、コミュニケーション、プレゼンテーションでは絶対にやってはいけないことがあるのです。
それは無意識のうちに発せられる言葉、
Hさんの「え~」に加え、「あの~」がこれにあたります。
弊社ではこれらを無意識言葉と読んでいます。
考えながら話していることが瞬時に伝わってしまう「え~」や「あの~」。
これら意識しないうちに使われる無意識言葉がなぜ良くないのか?
それは無意識言葉で話の流れが遮られるだけでなく、それらの後に続く発言の意図が明確化されないままに、言葉が発せられる可能性が極めて高いからです。「え~」「あの~」の後では、”とりあえず何か喋っておこう”という迷いやためらいが表面化され、意図の定まっていない、いい加減な発言となりやすいからです。
無意識言葉は他にも「まあ」「なかなか」「○○ですが」などがあります。
せっかく良いことを言っていてもその価値を下げてしまう「まあ」。
否定的な発言を避け、判断を相手に委ねてしまうことで自己保身が強くなる「なかなか」。
言いたいことが全く伝わらない「○○ですが、△△です」の「が」。
読者の皆さんはこの無意識言葉を発していませんか?
無意識言葉を発しないためにはどうすれば良いか?
これには他人との会話のみならず独り言(独り言 - Wikipedia)や発声を伴わない独り言である内的会話においても、自分の言葉を意識するしか近道はありません。
はじめは自分の言葉を意識してください。”あっ、また「え~」を使っている”で構いません。まずは自分の言葉を知ることです。
子供のころ自転車の運転を覚えた経験を思い出してください。
はじめは意識して、失敗して、それでもそれを続ける。
そして気がつけば出来るようになっている。
プレゼンテーションの練習ではビデオを使い自分のプレゼンテーションを撮ることもお勧めです。
そしてより早く、より効果的に成果を出したいときには?
プロの指導を仰ぐことです。
無意識言葉撲滅!
コミュニケーションコンサルティングはあなたのコミュニケーション、プレゼンテーション、そして人生をサポートいたします。