第19話 営業面談はプレゼンテーション。-営業する前に宣言すべきこと-
「飛び込み、初回、複数回目にかかわらずお客さんに営業していると何を話しているのか分からなくなってしまうのです。」
メーカーで新規開拓営業をするIさんのお悩みです。
忙しく動き回る取引先を漸く捕まえ面談のアポをとったものの、いざ話し始めたら会話は迷走。商品紹介のためのアポだったにもかかわらず、面談相手である話好きの社長は脱線。野球の話題で何とか盛り上がったものの結局商品の説明は出来ずあえなく時間切れ。
あなたにもこんな経験はありませんか?
営業面談もプレゼンテーションです。
通常プレゼンテーションというとひとりが多数のひとへ何かしらを語りかける一対多でなされるものとされています。
営業面談も目の前の人にたいするプレゼンテーションであるとすれば営業もきわめて単純で分かりやすく実践しやすいものとなります。
弊社コミュニケーションコンサルティングではプレゼンテーションは以下のいずれかの目的を持つと定義しています。
① 行動を促す
② 知識を与える
③ 感動を与える
④ 楽しみ、笑いを与える
さしづめこれを営業面談にあてはめると
① 契約を促す
② 情報を与える
③ (商品を見せ、試用してもらい)納得してもらう
④ (歓談、会食などをして)リレーションを深める といったところでしょう。
コミュニケーションのプロでもない限り、他人とのコミュニケーションを図るとき自分の都度都度の発言が上記①‐④のいずれかに該当するか意識することはありません。
また、その日の営業は契約が決まるあるいは入札の結果が出るなどの特段の事情がない限り①‐④のどれに該当するか意識することもありません。
脳は自分がこれからする行動、発言の目的を明確に意識すればするほど潜在的な能力を発揮します。意識が無意識のサポートを得る状態が訪れます。
ただ何となく勉強するのではなく、「来月ある試験に合格するために勉強する」と意識しながら勉強をしたほうがより良い結果を得られるという例からも分かると思います。
この意識による無意識のサポートは勉強のみならず仕事、趣味、家事など何事にも働きます。 Iさんは面談を成功させたいと思いが強く、面談の目的の意識づけがちゃんと出来ていなかったのです。
営業マンはまずその営業面談の目的が上記①‐④のどれに該当するのか決定し強く意識しなければなりません。
シンプルなこの過程を経ず面談を開始する営業マンが実に多いことに驚きを隠せません。
「今日の面談は③。うちの商品の良さを納得してもらうため」といったように宣言をして面談営業面談に入ってみてはいかがでしょう。
こんな簡単なことを実行することであなたが得る成果は計り知れないものとなります。