第54話 令和時代のリーダーシップー上司が部下に接する際に意識すべきこと?
---多くのリーダーが部下との接し方に戸惑っています。それらは「これを言うとパワハラになるのでは?」という内容に関するものから「これをどういう口調で伝えるべきか?」という方法に関するものまで千差万別。あなたには上司という”権威”があります。部下の前でその”権威”を外してみませんか?今日は令和のリーダーシップについです。---
「僕は完璧主義なんですかね?部下のアラがとてもよく目に入ってきてしまいます。」
都内の金融機関で営業課長を務めるSさんからの問いかけです。
「完璧主義とは何ですか?具体的に教えてください。」との私の質問にSさんは
「私は全てのものに『こうあるべき』というモノサシを持っています。アポ取りから顧客との商談時に交わす会話、帰社後の営業報告書の記載方法まで、部下から何を聞かれても『こうすべき』と逐一部下に指導しています。自分に関しては仕事以外にも休日をどう過ごすべきかまで決めて実行しています。」
【完璧主義者】
Sさんのように価値基準の多さと価値基準の高さが特徴です。
それら多くの価値基準とその高さを実行できているかどうかは問いません。
自他の行動が価値基準の枠を外れる状況は納得することができません。納得ができないということは感情的に抑えられない状況が遅かれ早かれ、必ず到来することを意味します。
昨今語られるパワハラの多くは上司の完璧主義が原因です。
自分は完璧主義者ではないと自負があるあなた、部下に接しする際あなたの価値基準で判断していませんか?
【リーダーの資質】
弊社定義ではリーダーであるのに必要な資質は以下の5つです。
(ご参考弊社コラム:本当のリーダーシップ-必要な資質と能力は? | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)
・部下に興味を持つ。
・部下を育てる。
・部下の話をよく聞く。
・ゴールが明確である。
・全ての責任を取る。
完璧主義は、これらを満たすことは出来ません。
・自分の興味のないことには興味を持てない。
・部下を育てるに際し、自身の価値基準を押し付けざるを得なくなる。
・話を聞けば聞くほど自身の価値基準を満たさない内容が出てくる可能性が高い。
・部下には受け入れがたいと思われるきわめて高いゴールが設定される。
【無価値主義者の勧め】
完璧主義を捨て上記資質を満たすためにはどうすれば良いのでしょう?
一言で「何事にも価値を見出さない。」ということです。
モノサシを持たない=価値基準を設定しないということ。
・あらゆる人に興味を持つ。
・部下が自由にやれることで自然に成長する。
・何事も「そうなんだ」と受け入れられる。
・柔軟なゴール設定が可能となり、それがより明確になる。
・すべての結果は自分の責任と感じる。
無価値主義をとるとリーダーの資質が満たされる可能性が高まります。
我々は人間です。傷がない完全な璧(家宝)ではありません。
みんな傷もあれば欠けている不十分な存在です。
完璧な人間はいないのです。
リーダーが完璧な存在でなければならないのなら、機械に上司になってもらえばいいのです。
【無価値(主義)のリーダーは安心・安全な存在】
自分の価値基準を守るということは自分の存在を守るということです。
守られるべき対象が部下でなく自分であるということに気が付いてください。
安心・安全という矢印が自分を向いている自分第一主義の状態なのです。
自分の価値は鎧であり槍であると思ってください。
あなたが鎧を着て槍を持っているのだと想像してください。
そのような上司には部下も自分の価値基準で対抗します。
部下も知らず知らずのうちに鎧を着て槍を持ってしまうのです。
意識として(表面上)は「この人は上司だから」となるかもしれませんが。
無意識は安心・安全を求めます。まず自分の価値基準を”主張”し、対抗します。
さあリーダーであるあなた!
「黙って俺について来い。」という古いのリーダー像に取りつかれていませんか?
槍を捨て、鎧を脱ごうではありませんか?
上司と部下がお互いを唯一無二の存在であると感じられる関係を作りませんか?
コミュケーションコンサルティングはリーダーであるあなたのゴール実現をサポートします。
エグゼクティブコーチング〜自己実現を目指す経営者のためのコーチング〜| コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)