第42話 リーダーのコミュニケーション-すべての責任はリーダーにある!
---「このパスタちょっと辛いね。」「うん、ちょっと辛いかも。」先日ランチしたイタリアンレストランで耳にしたOLたちの会話です。この二人の”ちょっと辛い”は同じなのでしょうか?お互いがお互いを分かったと思い込む。私たちが常に陥るこの罠。この罠に引っかからない方法があります。その解決方法は極めて簡単です。しかし残念ながら実践するのは決して容易くありません。---
「最近はかなり重いですよ、と言うからいつもより強めに打ったらご覧の通りのカップオーバー。返しも入らずスリーパット。あのキャディさんに付いてもらったの久しぶりだったんですが、やっぱり相性良くないんだよね。」
ゴルフで良くご一緒するK社長のリーダーらしからぬ言い訳ともとれる反省の弁です。
ひとは自分の世界を自分の言葉で生きています。そして他のひとも自分の発したその言葉で同じ理解をするものだと無意識に思い込んでいます。
(ご参考: 人の数だけ世界がある→
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「Kさん、キャディさんの言った『かなり重い』とはどれくらいだったのでしょうか?キャディさんはKさん、あなたのいつもの強さを理解されているのですか?」
という私の問いかけに
「どういうことですか?”かなり”は”かなり”でしょう?」
と質問をご理解されていない様子。そこで矢継ぎ早に
「Kさんが相性の良いと思うキャディさんだったらどのように説明しますかね?」
「それは聞けばちゃんと説明してくれますよ。10人いたら8人は1mはショートしますよ、とか、オーバーしたら返しのパットは早いですよとかアドバイスしてくれるでしょうね。」
「具体的で分かりやすかったり、次の一打に意識を持っていく説明ですね。」
「ではなぜ今日は質問しなかったのですか?」
「なぜだろう、、、ゴルフは遊びだし、、、」
「会社では毎回部下にちゃんと質問してますか?」
「それを言われると、、、出来てないな~」
先程、ひとは自分の世界を自分の言葉で生きていますと述べました。自分の世界を自分の言葉で表す際、いろいろな事象が省かれます。そして自分の勝手な論理であたかもそれが世間一般で通用するかのような伝え方がされます。
実際の出来事が省略され、歪曲され、一般化されてしまうわけです。
ひとそれぞれが独自の言葉で独自の世界を生きている限り、物事を表現する際の省略、歪曲、一般化は絶対に避けられません。
省略、歪曲、一般化は人間が安心・安全を得るために脳に負担をかけない仕組みともいえます。
ではわれわれはこの永遠の課題にどう対応すればいいのか?
それに対する唯一の正解は質問すること。
質問することで話し手、聞き手の世界を近づけていくしかないのです。
その際のキラーワードは
「具体的にどういうことですか?教えて下さい。」
です。
世界は人の数だけ存在する、この基本はリーダーが常に持っているべき基本思想。リーダーとは相手の世界に興味を持ち質問をし、相手の見ている、聞いている、そして感じている世界に身を投じ共感することが出来る人です。
黙って俺について来い、の時代はとっくに終わっています。
あなたの見ている、聞いている、感じている世界を具体的に説明することはもとより
具体的にどいうことですかと躊躇なく問いかけることで、あなたの世界についていく人々がいまどこにいるのかを知り、その世界を見て、聞いて感じる。
これがリーダーが持つべきもう一つの基本思想です。この基本思想をどうやって自分のものとしてゆくのか?
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