第9話 コーチをコーチする

 ゴルフ暦30年の私、いままで何人ものコーチに指導を受けてきました。そのたびに「このコーチ、教え方うまいな~」「このコーチ、何言っているのか全然分からない」と心の中で呟いていました。習い始め当時は伝わるコーチ、伝わらないコーチの間で何処がどう違うのか全く理解できませんでしたが、十数年もの間、年間数百社飛び込み営業をして、多くの人と面談し、コミュニケーションスキルを体得した今はその違いがはっきりと理解できます。

 このコラムでいつも申し上げておりますが、人間は外部からの情報を意識、無意識を問わず、言葉に置き換えて認識しています。道を歩いていて信号が目に入れば「信号だ、青色が点滅している(視覚(V:Visual))、あと何秒?渡れるかな?(論理・聴覚(A:Auditory))、今日はだるいな(身体感覚(K:Kinesthetic))。ここは止まろう。」そして足を止める。

 すべての認知行動は言葉を通じて行われ、なおかつその言葉は視覚、聴覚(論理)、身体感覚で表されます。また使われる言葉は人により視覚、聴覚(論理)、身体感覚に偏りがあり、タイプ分けすることが出来ます。

 各タイプの細かな特徴は弊社コンサルティングでお伝えしていますが、大まかにその特徴を分類すると視覚が優位な人は「〇〇が見える」、聴覚(論理)が優位な人は「〇〇と考える」、身体感覚が優位な人は「〇〇と感じる」という表現を使います。

 私はゴルフのレッスンを受けるときはいつも“体の何処をどのように動かせば最後までバランスを保ったままクラブを振り抜けるか?”を気にしています。実際に言葉でその旨をコーチに伝えます。ゴルフスイングをしているときは身体感覚が優位な人間になっているのです。

「何言っているのか全然分からない」コーチは、             

「見ててください。こうやってクラブを振るのです。」と華麗なスイングを披露したり、

「クラブは構造上回転しやすく重心設計されており、、、」と聴覚(論理)表現で解説をする。

これに対し「教え方うまいな~」というコーチは膝や肩を触りながら、  

「ここを内側に絞り、クラブの重さを感じながら肩を回し、、、」とバッチリ私の身体感覚に合わせてくれるのです。

 この違い、もうお分かりですよね。コミュニケーションの原則は相手のモードに合わせる。視覚の言葉を使っている人には視覚の言葉を、聴覚(論理)の言葉を使っている人には聴覚(論理)の言葉を、そして身体感覚の言葉を使っている人には身体感覚の言葉を使うだけでいいんです。

 言葉は相手の世界を知る触媒です。相手の世界を知り、相手の目指すゴールへ相手を導く、当たり前といえば当たり前のコーチングの大原則。

 コミュニケーションコンサルティングではグローバルに通用するコーチを育てています。