第17話 「社長、この商品のセールスポイントは?」五感に合わせたセールス法

「この商品のセールスポイントをひとつだけ挙げると何ですか?」

先日自社商品のセールス方法に関し、かつての電話帳ほどに分厚いカタログを抱えながら相談に来られた家庭用品企画販売会社S社長に対する質問です。

「う~ん。ひとつだけと言われてもね~。デザインも良いし、使い心地も良い。もちろん値段もリーズナブル。」

「ではこちらの商品は?」

「これも同じです。うちは見た目良し、使い心地良し、価格良しがモットーだから。」

このコラムで何回も申し上げているように人は外部からの情報を五感で認知します。

見るか(Visual)、聞いて分析・思考するか(Auditory)、身体で感じるか(Kinesthetic)。そしてその情報はそれぞれに相当する言葉で理解されます。

自身の分身ともいえる商品である限り、見た目、性能、使い心地の全てを兼ね備えているという社長としての熱い想いは十分すぎるほど分かります。

但し、商品を企画する際、意識、無意識を問わず、必ずVAKのどれかにターゲットを定め商品企画が成されているのです。

既存の性能(A)のままデザインを変更するのは見た目(V)を意図した商品企画。デザイン(V)を継承したまま素材をより肌触りのよいものに変更する場合は(K)など。新商品、既存商品の変更問わず、この過程を必ず通ります。

しかし、敢えてこの商品は(K)、こちらは(V)という分類を意識的にされている会社は極めて少ないのが現実です。

貴社既存ラインナップでどの商品がデザイン重視(V)で、どの商品が性能重視(A)か?またどの商品は使い心地重視(K)なのか?分類作業をしたことがありますか?この商品はVなのかAなのかKなのか明確に答えられますか?

この分類作業を経ずに自社商品のセールスポイントを社長以下営業がどうしてアピールできるでしょうか?営業トップである社長が自社商品のセールスポイントをしっかりと把握することなく「うちの商品は本物だから自信を持って売って来い。」なんて陳腐な勇気づけをしていませんか?

この分類をすることなく本物のセールスは絶対に始まりません。この分類作業と本物のセールス、この一体不可分の法則を弊社コンサルティングで獲得しませんか。