第47話 本当のリーダーシップ-必要な資質と能力は?
---コロナが始まり2年が経過しました。世の中が混迷を極める今ほど真のリーダーシップが問われている時代もないのでは?今日はあらためてリーダーシップとは何かを定義します。リーダーに必要とされる資質と能力とは?---
「市原さん、部下に対していつも指示してしまいます。『あれをやって下さい。次はこれやって下さい。』という感じで。彼らの回答を待てないのです。」
金融機関でこの4月課長に昇進したばかりのSさんからのご相談です。
多くの役職者がSさんのように部下に対して行動の指示を出すことが上司の役割と認識しているようです。
役職者はリーダーです。
リーダーとして必要な資質と能力は何でしょうか?
今回は、リーダーに必要な資質と能力について紹介いたします。
リーダーに必要な資質の定義
部下に興味を持つ:マインドセット
チームとしての明確なゴールを言語化し(定義4)、そのゴール実現に向かって部下を育てるのに前提となるのが部下に対する興味(定義1)です。
部下がどういう人物で、何を大切にしているか。また、どういう能力を有し、ふだんはどこでどんなことをしているかに興味、関心を持つ。これらが出来ることが部下を育てる姿勢(定義2)とその過程で部下の話をよく聴くことの第一歩となります(定義3)。
【上記ポイントについての注意点】
部下を育てる姿勢:コミュニケーション力
ここでいう「育てる」とはどういうことか?
それは「育つのを待つ」ということです。
あえて言います。部下はあなたが”邪魔”をしない限り勝手に育ちます。業務に最低限必要なことさえ教えれば勝手に成長します。
多くのリーダーが「ああしろ、こうしろ」と指示します。これは漸く出てきた芽に大量の水や肥料を与え、その芽を引っ張り出そうとしているのと同じ。
部下が育つのをじっくり待つということです。この姿勢こそがリーダーに必要なのです。
(ご参考 コラム39話 コーチングとは?基本のスキルと仕事で使えるコーチングのやり方、注意点
コーチングとは?基本のスキルと仕事で使えるコーチングのやり方、注意点 | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)
部下の話をよく聴く:コミュニケーション力
部下を育てる姿勢の一部でもあります。あえてこのポイントがあるのは
あまりに多くのリーダーが部下の話を聴けないという現実があるため。
明確なゴールを持っている:プレゼンテーション力
これが出来ているリーダーは部下の話に耳を傾けることなく自身の世界を一方的に語り、かつその自分自身の姿に酔いしれやすい傾向があります。「俺が、俺が」型の欠陥リーダーになりやすいという点に注意してください。
【じっくり、しっかり】
もう一度強調したいのが部下の話を良く聴くということ(定義3)。
何度も何度も質問を投げかけ、部下の話を聴く。
内容の正否を脇に置き、徹底的に部下の話を聴く。
もし部下との1ON1ミーティングで沈黙が訪れたならそれはリーダーであるあなたの責任です。
上司という権限を有するあなたが部下の話を聴くことなく指示だけ出すのは嫌がらせに等しいということを認識してください。リーダーであるあなたが部下とのミーティングの場で話している時間は2割以下が目安です。
はじめのうちは自分は殆ど話していないというくらいの感覚でちょうど良でしょう。
責任を負う覚悟:マインドセット
【ゴールの明確化】
部下に質問をして部下の話をじっくり聴く。これを続けると多くの場合、部下から「〇〇したい」という願望、希望(ゴール)が出てきます。
質問をされることで部下の無意識は勝手にゴールを探り始めます。
過去の実績を問われれば、それに答えると同時に無意識は将来の実績を探るのです。
「以前はこれを成し遂げたけど、次は、、、」と考えたことはあなたにもあるはずです。
部下からチームや会社のゴールに関する質問が出てくるかもしれません。。
そのときリーダーであるあなたが問われるのが明確なゴールを持っているということ(定義4)。
その際、そのゴールをしっかりと伝えられるプレゼンテーション力も必要です。
1~4の定義が全てバランス良く満たされていればおのずと責任を負う覚悟と責任感も醸成されます(定義5)。
もしあなたが責任を負う覚悟はあるが、リーダーとして何をどうしたら良いか分からないというなら定義1~4を見直してください。
リーダーであるあなたはどうですか?何が出来ていて何が出来ていないかを再確認してください。
コミュケーションコンサルティングはコミュニケーション力、プレゼンテーション力の向上を通じあなたのリーダーシップ力強化をサポートいたします。