第35話 コミュニケーションが苦手な人のための克服方法

コミュニケーション総合調査の第3報(※1)によりますと、コミュニケーションが苦手、やや苦手と感じている日本人は、全体の58%にも及ぶといわれています。

程度の差こそあれ、多くの方が苦手意識を持ちながら、コミュニケーションを図っていることになります。

こうした日本の現状があるので、コミュニケーション能力を高め、磨いていくことは、あなたの今後の人生や仕事にとって非常に価値のあるものになるでしょう。

もちろん苦手意識を払拭することは簡単ではありませんが、訓練や経験を積むことでコミュニケーション能力は向上させることができるものです。

今日は、コミュニケーションが苦手と感じる理由や、苦手な人の特徴を紹介しながら、その克服方法について紹介していきます。

※1 コミュニケーション総合調査<第3報>

https://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00239&news_no=27

ミュニケーションが苦手な人の原因と特徴

コミュニケーションが苦手な理由、苦手意識を持ってしまう原因について見ていきます。なぜ苦手なのかを把握することは、改善していくための第一歩です。

-経験が不足している-

コミュニケーション能力は人と同じ時間を共有し、その場に適した会話をすることで得られるものです。

スマホやネットに依存するあまり、コミュニケーションのほとんどが文字による間接的なものとなり、実際に人と接する時間が短くなっている人も少なくないのではないでしょうか。

人と接する経験をほとんどしてこなかった状態では、相手の気持ちを汲み取るような気遣いや配慮ができず、円滑なコミュニケーションが取れないのも仕方のないことです。

コミュニケーションが苦手なのではなく、単純に経験不足が原因で、苦手意識を持っている状態だといえます。

-周囲の目を気にし過ぎる-

コミュニケーションが苦手な人のなかには、周囲の目が気になり過ぎて、自分の思っていることを言葉にできない人もいます。

「これを言ったら、相手に嫌われないだろうか…」

「自分が発言することで、場を乱すことにならないだろうか…」

など、周囲がどう思うかを過度に気にするあまり、会話に支障をきたしている状態です。

また、間違ったことや的外れなことを口にして恥をかきたくないといった心理から、コミュニケーションに支障をきたしている場合もあります。

自分に自信がない人。

逆にプライドが高くて、恥をかきたくない人に当てはまるケースが多いです。

相手にどう思われるかを考え過ぎて疲れてしまい、人とのコミュニケーションを遠ざけてしまいがちになります。

-警戒心が強く慎重な性格-

仲のよい友人や家族となら楽しく話せるけど、初対面やそれに近い間柄だと、コミュニケーションがうまく取れなくなってしまう人も少なくないでしょう。

人見知りしやすい性格だからということもあるかもしれませんが、警戒心が強いことがコミュニケーションの妨げになっていると考えられます。

また相手の事をよく知らないがゆえに、下手なことを言って嫌われたくないという心理が働いてしまう場合もあるでしょう。

-一方的な会話をしてしまう-

話し始めると、自分のしたい話ばかりしてしまう。相手の話しを遮って、自分のしたい話題に変えてしまうなど、自分本位のコミュニケーションになってしまっているため、相手から敬遠されてしまうケースです。

また、自分の言うことが正しいと主張したり、価値観を押し付けたりするような行為も、相手を不快にしてしまいます。

コミュニケーションは双方向で行うものですので、相手への配慮に欠ける会話をしてしまうと、円滑なコミュニケーションは難しくなるでしょう。

コミュニケーションが苦手を克服する方法

コミュニケーション能力は、持って生まれた才能ではなく、努力次第でいくらでも伸ばしていくことができるものです。

ここでは、どのようにしてコミュニケーションに対する苦手意識を克服し、能力を伸ばしていけばよいのか、その方法についてご紹介します。

-聞く力(傾聴力)を高める-

「コミュニケーション能力が高い=話すのが上手い」と考えがちですが、聞き手側として、相手の話したいことを引き出す力もコミュニケーション能力の1つです。

話しをするのが苦手なのであれば、まず聞き側としての能力を伸ばすことから始めてみましょう。

相手に気持ちよく話しをしてもらうための相槌の仕方。表情や目線への意識。相手の話を理解し、気持ちを汲み取り、共感を示す。

こうした傾聴力を伸ばすだけでも、自分の話を聞いてくれる人として、相手に認められることができます。

-会話を始める前に準備をする-

ビジネスシーンなどで会話をする際は、事前に相手に何を伝えたいのか、その最低限のポイントだけでも整理しておくとよいでしょう。

そして結論や要点から話を始めることで、会話が苦手であっても、相手に言いたいことを伝えやすくなります。

事前に少しでも準備のできる状況であるなら、話す内容を整理する癖をつけるとよいでしょう。

-話題を増やす意識を持つ-

コミュニケーションをするうえで、共通の話題があれば、会話は弾むものです。ビジネスシーンにおいても、雑談をする機会は少なくありません。

そこで話が盛り上がれば、距離を縮めるキッカケにもなるでしょう。

こうしたキッカケをつかむためには、日々話題を増やすという意識を持つことが大切です。

大きく報道されているニュースについてや、今流行のモノ・スポットなど、話題にあがりそうなネタは、たとえ自分の興味のないことであっても、雑談できるぐらいは知っておくことでコミュニケーションの助けとなります。

-コミュニケーション能力の高い人の真似をする-

職場にいるコミュニケーションの上手い人の真似からはじめるのも、コミュニケーションを改善するのにおすすめの方法です。

すぐ近くにお手本となる人がいるなら、その人に学ばない手はありません。

普段同僚とどんな内容の話しをしているのか。

上長や部下との接し方。質問や会話の広げ方。プレゼンする際の話し方、目線、ボディーランゲージなど、徹底的に真似をするところから始めましょう。

まずは自分ができそうなところからで構いませんが、忠実に徹底して真似をすることがポイントです。

中途半端に真似をすると、今まで染みついたやり方に足を引っ張られることになります。

他者を演じるような気持ちで、真似をしてみましょう。

-コミュニケーションについて学び、実践する-

コミュニケーションに対して、しっかり学んだことのある人は少ないのではないでしょうか。

コミュニケーションに苦手意識はあるけれど、その価値をしっかり理解し、能力を伸ばしていきたいと思っているなら、コミュニケーションについて本格的に学んでみるのも、1つの手段です。

コミュニケーションを伸ばすには、実践することが不可欠であるため、実践しながら学べるようなセミナーや講座がおすすめです。

コミュニケーション能力の向上はメリットがたくさん

コミュニケーション能力を向上させることは、人生を豊かにするうえで、どんな資格を取得するよりもプラスになる可能性のあるものです。

コミュニケーションが得意とまではいかなくとも、苦手意識を払拭するだけで得られるメリットは数多くあります。

ここではその一例をご紹介したいと思います。

-仕事の評価につながりやすい-

自分の仕事を正しく評価してもらうには、仕事の結果や成し遂げてきたことを自分の言葉で説明をする必要があります。

説明などせずとも成果をみて評価して欲しいと思うかもしれませんが、なかなかそうはならないものです。

コミュニケーション能力が向上すれば、仕事に対してより正しく評価してもらえるようになります。

その結果、より責任のある業務を任せてもらうことにつながるかもしれません。

-仕事の効率が上がる-

コミュニケーション能力が高くなると、上長や同僚などと良好な人間関係が築けるようになるため、業務効率が上がります。

また、周囲との関係性が良くなることで、仕事に対するストレス軽減にもつながるでしょう。

コミュニケーション能力の向上は、自分の周りを巻き込んで良い影響を与えるため、仕事を円滑に進められるようになります。

-転職などの面接で評価されやすい-

転職の際の面接では、コミュニケーション能力が見られていることが多いです。

それは例え業務上でコミュニケーションがあまり求められない業種であっても同様です。

チームのなかで業務を遂行できるかどうか。

指示を適切に汲み取って仕事ができるかどうかという面でのコミュニケーション能力は、どんな業種であっても必要になるからです。

また、面接時に面接官とのコミュニケーションがスムーズであれば、印象が良くなることにもつながります。

仕事の評価もそうですが、転職等の面接でもコミュニケーション能力があると、高く評価してもらえる可能性が増します。

-パートナーや友人関係-

ビジネス面以外でも当然コミュニケーション能力が活かせる場面は多いです。パートナーや友人などと信頼関係を築きやすく、衝突することなく関係を良好に保つことができます。

パートナーや友人に恵まれることは、あなたの人生を豊かにし、充実させるのに欠かせないものです。

こうした人間関係をもたらしてくれるのも、コミュニケーション能力がベースになっているといえるでしょう。

苦手を克服していくために

冒頭で述べたように、日本人の6割近い人がコミュニケーションに対して苦手意識を持っています。

コミュニケーション能力は持って生まれた資質が全てではなく、後天的に習得することのできるものです。

そして、コミュニケーション能力を向上させることは、あなたの今後の人生を、確実に良い方向へと導いてくれるでしょう。

克服方法を解説した書籍などもありますが、コミュニケーション能力を伸ばすのであれば、実際に人と関わり、話しをすることが近道です。

最近では、コミュニケーションに関するスクールやコンサルティングもあります。

自分の人生やキャリアをより良くする手段として、コミュニケーションを体系的に学んでみてはいかがでしょうか。

弊社ではコミュニケーション力、プレゼンテーション力強化に特化したコンサルティングを承っています。

(リンク先:https://com-cons.com/