第62話   エクゼクティブコーチングー誰とでも繋がれる大きなヒントとは?

-----“相性が良い”何気なく使うこの言葉。その意味を説明します。エクゼクティブは”相性が良い”を超えた、誰とでもつながる存在でなければなりません。そのための基本と大切なヒントを説明します。------

「市原さん、うちは新人調理スタッフには必ず3人の指導者をつけるのです。その後しばらく相性を見て、その中から1人を専属の指導者に指名します。そうすると新人の成長がすごく早いのです。」

「さすがCさん、よく部下を見ていますね。でもその3人とはどういうタイプなのですか?」

「それは先日市原さんから教えていただいたことをヒントにして、、、」

外食チェーンで人材育成を担当するCさんとの会話です。

【効き感覚による3つのタイプ】

人には効き腕ならぬ効き感覚というものがあります。

人は五感の生き物です。

五感とは視覚聴覚身体感覚嗅覚味覚の五つ。

弊社では嗅覚、味覚は身体感覚に含めます。

人は無意識のうちにこれら五感を使います。この五感のうち優先的に使われるものがその人その人の効き感覚というものです。

これら効き感覚の間に優劣はありません。その人がどの感覚を優先的に使うかということであり、そのほかの感覚は使われていないということではありません。

ご参考: 第13話 コミュニケーションコンサルティング | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)

【効き感覚の見分け方】

使う言葉

効き感覚は人が使う言葉に顕著に表れます。

視覚を優先的に使う人は、物事の見え方を説明する言葉(形や色)や「見える」「映える」「思い浮かべる」などの動詞を使います。

聴覚を優先的に使う人は、音や会話に関する説明する言葉(擬音、実際の会話)や理由の説明を大切にし、「聞く」「考える」「思う」などの動詞を使う傾向が強いです。

身体感覚を優先的に使う人は、身体の感覚に関する言葉や「感じる」「腑に落ちる」「軽くなった」などの動詞を使う傾向が強いです。

反応スピード

効き感覚によって会話や身体の反応スピードも違います。

視覚が効き感覚の人は一度に多くの情報を処理する傾向にあり、会話のスピードも速め。

これに対し、身体感覚が効き感覚の人は相手の一言ひとことを身体で受け止めてから反応するため、会話の受け答えが遅くなりがちです。

聴覚が効き感覚の人は両者の中間くらいのスピードになります。

【相性が良い=効き感覚が一致するということ】

相性が良いとは、ずばりコミュニケーションを取る者どうしの効き感覚が一致することです。

Cさんのいう3人の調理指導員も

1まず調理法を見せる人(視覚が効き感覚)

2まず調理法を言葉で説明してから指導する人(聴覚が効き感覚)

3まず新人にやらせる。その後で教える(身体感覚が効き感覚)

に分かれていたのです。

そして効き感覚の一致した相性の良い人を専属指導員としていたのです。

我々この世に生まれてきて以来、無意識のうちに効き感覚を培ってきています。

この効き感覚が一致するということが、相性が良いということです。

また他人から指導され、新しいことを効率的に覚えるに際して極めて大切な要素なのです。

【効き感覚を超えるーエクゼクティブがするべきこと】

世の中にはいずれの感覚を効き感覚とする人が多いのでしょうか?

視覚、聴覚、身体感覚のそれぞれを効き感覚をとする人は偏りなくいるといわれています。

多くの人をリードするエクゼクティブは自分の効き感覚を超えたバランスのある存在になる必要があるのです。相性の良い者だけを相手にしていれば良いということはありません。

そのためにまず日ごろのコミュニケーションにおいて言葉の偏りを無くさなければなりません。

多くの人(そこには全ての効き感覚の人がいます)に語り掛ける際、

あなたはどういう単語を使っていますか?

どういうスピードで語っていますか?

そのときの身振り、手振りはどうしていますか?

コミュニケーション力の向上は多くの人を惹きつけ、巻き込み、行動を起こさせるための第一歩です。

リーダーであるあなた、もういちど他人への語りかけから見直してみませんか?

コミュニケーションコンサルティングではエクゼクティブであるあなたのコミュニケーション力アップをサポートします。

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