第50話 リーダーが発するメッセージ-人を惹きつける要素とは?

 

---人に対し物事を語るとき何を意識しますか?これだけは言っておきたい、あなたの熱いメッセージ。それに対する相手の反応は冷たいことが多いのでは?なぜそうなるのか?そうならないためのヒントをお伝えします。---

「皆さん、私の経験からすると失敗は必ずします。失敗を恐れずにどんどん挑戦してほしい。」

保険代理店を営むY社長の入社式での挨拶。

「市原さんから教えられたように新入社員ひとりひとりの目をしっかりと見て、間を作りながらゆっくりと身体の中から言葉が湧き出るように語ったのですが、どうも私のメッセージが伝わらなかったようで。」

「なぜそう思ったのですか?」との私の問いに

「彼らの表情が全く変わらなかったのです。目が殆ど動かない。わずかながら眉間に皺を寄せ、私の話を理解しようとはしていたみたいです。」

このようなこと、あなたにもありませんか?

【伝わらないという現実】

知っておいて欲しいこと、相手のためになること、自身の教訓などを上から目線になることなく、心の底から伝えたつもりなのになぜかそれが相手に伝わらない。相手は真剣に聞いてはくれているものの、相手から納得の表情が見られない。

【メッセージに絶対の必要なもの】

Y社長の挨拶に欠けていたものは何だったのでしょうか?

それはズバリ

ストーリー(物語性)

です。

人は他人のストーリーに関心を寄せます。あたかも当人になったかのようにストーリーに聞き入ります。

「この人はこの時こういう行動を取ったのか。私なら別のやり方をしたかも知れない。」と時折視点を変えつつ、あなたのストーリーを”演じる”のです。

聞き手は他人の経験と教訓、そこから作り出された信念、価値観を共有することで自分自身の安心・安全に生かそうとします。このプロセスは無意識のうちになされるものです。

長い間語り伝えられ、後世の人たちへの教訓である諺(ことわざ)や故事成語がまさにこれです。

諺や故事成語の背後には必ずストーリーがあります。

主人公がいつどこであることをした。それによりある結果がもたらされ、主人公が大切なことを学んだ。

一連のストーリーは聞き手に自身の教訓のごとく記憶されるのです。

【ストーリーを情景が浮かぶように語る】

「Yさんのおっしゃった失敗とは何ですか?具体的に教えて下さい。」

「それはもうたくさんありますよ。

一番今でも忘れられないのがアポのダブルブッキングで大失敗したことかな。

いつも冷やかしでしか相談してこないお客さんと常連さんからご紹介を受けたお客さんの面談を同じ時間に入れてしまったんですよ。

その時もどうせまた冷やかしだろうと思い、後から入れてしまったご紹介のお客さんのアポを優先したのです。その結果はもう大変で、、、」

「これは興味深い話ですね。まさにストーリーです。」

「そうかこの経験を話せば良かったんだ。あの時の状況は今でも鮮明に覚えてます。社内の光景、鳴る電話、焦って手から滲み出る汗、、、」

ストーリー(物語性)であなたのメッセージは一気に説得力を持ちます。

【リーダーの資質】

リーダーが発するメッセージは人を惹きつけるものでなくてはなりません。

メッセージで人を惹きつけられないのではあなたはリーダー失格です。

(ご参考:弊社コラム第47話本当のリーダーシップ-必要な資質と能力は?)

本当のリーダーシップ-必要な資質と能力は? | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)

弊社はリーダーであるあなたが人を惹きつけ、巻き込むメッセージを発するサポートをいたします。

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