第8話 ネット時代に必要なセールスマンの資質とは?

 私の持病は西洋医学では治らないとされている耳鳴り。最後の頼みとして漢方薬局を2件立て続けに訪ねました。偶然か必然か二人の薬剤師が二人とも私の日常(睡眠時間、飲酒、ストレスの有無など)を質問することもほどほどに、ひたすら漢方の仕組みと推奨商品の説明に終始。

私が欲しい結果(アウトカム)は耳鳴りが止み、世界が明るく広がり、そのなかで物事に集中出来る状態。患者の日常の行動のみを聞き、アウトカムを十分に知ることなく、なぜ商品説明などのセールスができるのか?現状と望んでいるアウトカムを聞いて、ギャップを埋める手段として薬を勧めるのがあるべきセールスの進め方です。

しかしながら今回、彼らのアウトカムは商品を売ることで、顧客の症状改善は二の次のようでした。薬剤師もセールスマンである以上、成績を上げなければならないことは十分に理解できます。とはいえ漢方の仕組みや商品の説明はネット上でも分かりやすく説明してあります。理解できるまで何回でも読むことが出来ます。そして商品はネット上で常時購入できます。夜間に注文し翌日午前中には届く時代です。

それでもわざわざ対面販売に行くのはなぜか?こんな当たり前のことを考えたことはありますか?良い商品さえ作れば売れる、良い商品さえ並べれば売れる。この考えは明らかな間違いです。ネットが発達した今でも対面販売へ行く大きな理由の一つは、人は繋がりを求めているということ。顧客は自分の情報を開示して、現状やアウトカムを承認してもらいたいのです。そしてそこに繋がりを築きたい。それをしたくない人はネットで買う時代です。自己承認、人との繋がりを求め来店した顧客に対し一方的にひたすら商品をセールスする。これでは顧客の現状とアウトカムとのギャップは埋まりません。

この時代セールスマンに望まれるのは①顧客の現状とアウトカムをしっかり聞き取ること、そして②そこに生じているギャップとその埋め方を顧客に理解してもらうこと。こうしてから初めて商品セールスという順番。①、②がしっかり出来ていればかなり多くのケースであなたの商品は勝手に売れるのではないでしょうか。

ではしっかりセールスが出来るためには何をどのように聞けばよいのか?正解は弊社コンサルティングにてお伝えします。

(上記内容は私の経験に基づいたもので、漢方薬剤師を批判するものではなく、すべての漢方薬剤師が上記に示したような人物であることを意味しません。)