第48話 聞き手を巻き込むプレゼンテーション―リーダーが語る時絶対必要なポイントとは?

---あなたは人前で話す時どんな準備をしていますか?具材を並べ、フライパンを温め、調味料を用意し、、、美味しい料理を作るようにプレゼンテーションにもすべき準備があります。プレゼンテーションの内容そのものにも料理同様人を惹きつける大切なポイントがあります。プレゼンテーションにおいて人をどう惹きつけ、巻き込むか?今日は普段あまり語られることのないプレゼンテーションの準備とその内容についてです。---
「市原さん、社員表彰で部下を思いきり褒めたいのです。他の社員が聞いて、よしっ!私も頑張ろう、となって欲しいのです。それなのに『よくがんばりました。ありがとうございました。』としか言えないです。社員を巻き込むプレゼンテーション力を身に付けるけたい。どうすればいいですか?」
化粧品販売会社I社長からのご相談です。
【ゴールの設定】
まず、プレゼンテーションをする前に絶対にしなければならないことがあります。
それはプレゼンテーションのゴールを設定することです。
あなたはあなたのプレゼンテーションを聞いた人にどうなってもらいたいのかを決める必要があります。
聞き手には
①行動を起こしてもらう
例.話し手は有権者に投票(行動)を促しています
②知識、情報を得てもらう
例.話し手は知識を与えています
③感動、感謝を受け取ってもらう
例.聞き手は感動して涙をこぼしている
④楽しんでもらう、笑ってもらう
例.観客に笑って楽しんでもらう話し手
上記①から④のうちいずれになってもらいたいのか?明確に決めて下さい。このゴールを意識するかしないかでプレゼンテーションの効果が大きく変わってきます。
例えば、①である聞き手の行動を促すことがゴールと意識された場合。
プレゼンテーションの最中、身体の重心は幾分上方に移動し、肩が前方に張り出し今にも動き出そうとしている姿勢になります。声には張りが出て力強さが加わります。
いったんゴールが意識されるとこれらの姿勢、声などの非言語の変化は無意識のうちにもたらされます。まさに意識と無意識の連携プレーが完成されるのです。
「そうだったのか。僕は社員表彰のゴールさえ意識したことがありませんでした。先代からの名残りでただ何となくやってました。社員への感謝と彼らの更なる営業活動の促進となることをはっきりと意識します。」と上を向いて納得の表情をするI社長。
【話す内容】
ゴールがはっきりと決まったら(声に出して宣言してください)、次に話す内容が重要となります。I社長の「よくがんばりました。ありがとう。」だけではどの聞き手も惹きつけることは出来ませんし、同席する社員のやる気を引き出すことも不可能でしょう。
何を話す、どういう内容を話すかは極めて重要なポイントです。
一般的に人を惹きつける話には以下のいずれかの要素が含まれます。
①単純性
②具体性
③信頼性
④物語性
⑤意外性
⑥感情性
ひとつずつ解説すると
①単純性:一回のプレゼンテーショーンで訴えるテーマは一つに絞って下さい。あれも言いたい、これも言いたい。リーダーであるあなたの気持ちは分からなくはないですが、「いくつも伝えたい」は聞き手にとっては「結局何がいいたいの?」に繋がり、戸惑いを引き起こします。プレゼンの途中で聞き手の気持ちはその場から離れます。
②具体性:抽象的な言葉、言い回しは聴き手のエネルギーを思いのほか消費します。聞き手は耳にしたあなたの抽象的な言葉を自身の経験に当てはめ理解しなければなりません。いつ、どこで、誰が、何を、どのようにした、を具体的に話してください。
その時は必ず聞き手に受け取りやすい言葉を使ってください。
ご参考:弊社コラム第41話今年はどんな年にしますか?-社長のプレゼンテーション、トレーニングをする前の大原則→今年はどんな年にしますか?-社長のプレゼンテーション、トレーニングをする前の大原則 | コミュニケーションコンサルティング (com-cons.com)
③信頼性:話す内容は当然信頼に足るものでなければなりません。話し手の勝手な思い込みが語られ始めた瞬間に聞き手の心は離れていきます。数字やデータが含まれる場合は出所を明示すると内容に信頼感が増すことでしょう。
④物語性:人は物語に引き込まれます。あたかも自分が主人公になったかのような錯覚に包まれながら話を聞きます。そしてそれを体験します。②の具体性とも密接に関連します。いつ、どこで、誰が、何を、どのようにした、を具体的にかつドラマチックに話してください。

⑤意外性:「えっ」と驚く展開があればあなたの話は聞き手の記憶に強く残ります。今までの常識が覆され、はっとする。そういうこともあるのだ、良く覚えておこう、と記憶に残るわけです。
⑥感情性:感情を揺さぶられる。論理を越えた感情の動き。喜怒哀楽ともいえます。心を揺らし、「この人についてゆきたい。」そう感じさせてこそリーダーです。
人を惹きつけるグッドプレゼンテーションにはこれらの要素が必ず含まれています。
あなたのプレゼンテーションにはこれらのポイントがいくつ含まれていますか?
話す内容、展開をこれらの点からもう一度見直してください。
「市原さん、とても良いヒントをいただきました。次回表彰式に向け内容を練って原稿を書いて練習してみます。」と今にも席を立たんとするI社長。

「いいですね。やってみて下さい。一通り練習を終えたらまたお会いしましょう。本番前に大切なポイントをお教えします。」
それを抑えるかのように呼び止める私にI社長は肩を少し落としながら
「えっ、ま、まだあるのですか?」
ここまで来て最後にポイントとなるのがプレゼンテーションで肝となる伝え方です。
あなたは原稿をどう覚えますか?覚えた原稿をどう実際に声に出しますか?
コミュケーションコンサルティングはプレゼンテーション力、コミュニケーション力の向上を通じあなたのリーダーシップ力強化をサポートいたします。